国家責任条文草案逐条解説第3部1章序

第3部 国家の国際責任の履行

第3部は国家責任(たとえば、国際違法行為の遂行の効力により、第二部上、責任ある国家に生じる停止及び賠償の義務の効果を与えること)の履行を扱う。国家責任は、国際法上独立して、他国より追求されるのだが、他国がいかなる国際義務違反に直面しているのか、他国が責任ある国家側の停止及び賠償義務の履行を補償のためにいかなる行動をとるかを詳細に述べる必要がある。これ(時々、国家責任の舞台効果として規定される)は、第3部の主たる問題である。第3部は、二つの章で構成される。第1章は、他国による国家責任の追及及び付随する問題について扱う。第2章は、責任ある国家に、問題の行為を停止すること及び賠償を提供することを説くために執られる対抗措置を扱う。

第1章 国家責任の追及

(1) 本条文の第1部は、国家の国際義務違反の期間における、一般的な国家の国際違法行為を明らかにする。第2部は、責任の分野における国際違法行為の効果を、責任ある国家(いかなる他国の人もしくは実体の権利としてではなく)の義務として定義する。第3部は、国家責任の履行(たとえば、責任ある国家の国際責任の追求する他国の資格及びそのような追及の様式)に関係する。他の人や実体が国際義務違反から生じる権利は、第33条2項により保護される。

(2) 責任の追及の中核は、被害国の概念である。これは、国家の個別的権利が国際違法行為により拒絶されているもしくは害されている国家であるか、さもなければ、その行為により特に影響を受けている国家である。この概念は第42条で紹介され、かつ、様々な効果がこの章の他の条文中から導き出される。本条文により保護される広範囲の国際義務を維持する中で、より広範囲の国家が、問題の義務における責任の追及及び遵守の保障に、法的利益を持つことの認識が必要である。実際、ある状況の中で、すべての国家がそのような利益を持つ、たとえ、違反による個別的もしくは特別な影響がない場合でさえである(注700)。この可能性は、第48条注で規定される。第42条及び第48条は、他国の責任追及のするための国家の資格の用語中で、言い表される。それらは、誤解させる可能性のある用語(「直接」対「非直接」被害もしくは「客観的」対「主観的」権利のような)の使用から生じる問題を避けることが模索される。

(3) 第42条は、単体(「被害国」)で起草されたが、複数国家が国際違法行為により被害を受け、且つ、被害国として責任を追及する資格が与えられる。これは、第46条によって明らかにされる。第42条及び第48条は相互に排他的ではない。状況は、ある国家が第42条の意味での被害国として生じ、且つ、他国が第48条の責任を追及する資格が与えられる。

(4) 第1章も、多くの関係する問題を扱う。ある国家が他国の責任を追及することを望む場合の通知の要件(第43条)、請求の許容性の一側面(第44条)、責任追及の権利の喪失(第45条)、及び複数国の責任が同一の国際違法行為に関係して追求される場合の事例(第47条)。

(5) 規定は、本条分の残りの性格を明らかにする第55条も制定される。国家の国際義務を生じさせることに加えて、特別法は他国がそれらの違反から生じる国際責任を追及する資格が与えられること、及びそれらが模索する法的救済が何であるかをも決定する。たとえば、ウィンブルドン号事件(注701)の判決の主題であった1919年のベルサイユ条約第396条がその典型である。欧州人権規約第33条もその典型である。そのような規定が排他的な意図(たとえば、特別法として適用すること)があるかどうかという事例において解釈の問題であるだろう。

Footnote

700 対世的義務違反に関するものとして、「全ての国家は法的利益を持つ」という国際司法裁判所の判決。「バルセロナ・トラクション事件(第二段階)」『I.C.J.レポート1970』32頁33段落(コメンタリー第2部に引用される)。

701 『1923PCIJシリーズA第1巻』。それら4国家がドイツの責任を追及した、少なくとも一国(日本)はウィンブルドン号事件で特別な利益を持たない。


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